原泰久氏による大人気歴史漫画『キングダム』において、物語のスケール感を大きく広げる最強の軍団が秦国の「六大将軍」です。「戦争の自由」を与えられたこの特権階級は、ただ武力が優れているだけでなく、中華統一という壮大な野望を成し遂げるための鍵を握る存在として描かれています。昭王の時代に名を馳せた「旧六大将軍」から、中華統一へ向けて嬴政と昌平君が復活させた「新六大将軍」に至るまで、その顔ぶれや強さの序列、そしてなぜ空席が存在するのかという背景には、作戦の妙や史実をベースにした重厚なドラマが隠されています。
本記事では、キングダムにおける六大将軍の全貌を徹底調査。旧六将および新六将のメンバー一覧をはじめ、それぞれの圧倒的な強さ、歴史的・作中的な空席の理由、そして史実における背景までをわかりやすく紐解いていきます。
キングダムの「六大将軍」制度とは?その特殊な権限と設立の背景

キングダムに登場する「六大将軍制度」とは、かつての秦王・昭王の時代に作られた国家の最高峰の軍事組織です。通常の軍制であれば、出陣や他国への侵攻には王の勅令や相国(宰相)の許可、他軍との綿密な調整が必要となります。しかし、六大将軍に任命された者には「戦争の自由」が与えられており、王の個別の許可なしに自国の判断で他国へ侵攻し、独自の軍略で戦いを拡大することが認められていました。
この極めて特異な権限が与えられた背景には、戦国七雄による終わりのない泥沼の戦争を終わらせ、中華を統一するという巨大なビジョンがありました。個々の将軍が自身の裁量で機動力を最大限に活かして敵国を圧倒し、迅速に領土を拡大していくために不可欠なシステムだったのです。長きにわたり封印されていたこの制度でしたが、中華統一を目指す第31代秦王・嬴政(えいせい)の悲願のもと、現代において再び復活を果たすことになります。
【旧六大将軍】メンバー一覧と圧倒的な伝説・強さの真相
かつて戦国七雄の勢力図を大きく塗り替え、他国から「恐怖の象徴」として恐れられたのが昭王時代の旧六大将軍です。彼らは全員が武力と知略を極限まで高めた化け物であり、その伝説は作中の現在でも語り継がれています。
旧六大将軍のメンバーは以下の通りです。
- 白起(はとき):旧六将の筆頭であり、数々の大虐殺や戦術で他国を震え上がらせた「人参(じんざん)」の異名を持つ歴戦の将。冷徹かつ圧倒的な知略の持ち主。
- 王騎(おうき):「秦の怪鳥」の異名を持ち、武力・知略・統率力のすべてが最高峰に達していた伝説の将軍。昭王の死後は第一線から退いていたが、その存在感は絶大でした。
- 鑁公(ばんこう) / 司馬錯(しばさく) / 胡傷(こしょう) / 摎(きょう):それぞれが独自の戦術眼と凄まじい実績を持ち、秦国の版図を爆発的に広げた英雄たち。特に昭王の実子であった摎が女性であった事実や、王騎との深いつながりは物語の大きな感動を生みました。
彼らが成し遂げた功績は、ただ強いというだけでなく、国家の命運を背負った戦略的勝利の連続でした。その強さの真相は、個人の武勇に依存するのではなく、国家戦略と一体化した圧倒的なスケールの運用能力にあります。
【新六大将軍】メンバー一覧と史実・作中における現在の布陣
嬴政による中華統一の野望を現実のものとするため、紀元前、国家の総力を挙げて再結成されたのが新六大将軍です。実力主義を徹底した結果、現在までに任命されたメンバーは限られており、それぞれの個性が際立っています。
新六大将軍のメンバーおよび現在の状況は以下の通りです。
| 階級・ポジション | 将軍名 | 主な特徴・戦闘スタイル | 現在の状況・動向 |
|---|---|---|---|
| 新六大将軍 第一位・武力型 | 蒙武(もうぶ) | 中華最強と称される圧倒的な武力と、全軍を鼓舞する豪胆な統率力。 | 現役で秦軍の主力として最前線で猛威を振るう。 |
| 新六大将軍・知略型 | 王翦(おうせん) | 敵を心理的に追い詰める底知れぬ知略と、我が道を行く冷徹な采配。 | 趙攻略の総大将などを歴任し、国家の要として君臨。 |
| 新六大将軍・本能型/遊撃 | 桓騎(かんき) | 残虐だが常識にとらわれない奇策を連発する元野盗の天才将軍。 | 物語の進行に伴い激動の運命を迎える。 |
| 空席 | 未定(残り3席) | 将来の飛信隊・玉鳳隊・楽華隊などの若手将官の台頭が期待される枠。 | 実力不足や基準を満たす人材の精査により現在も空席。 |
このように、新六大将軍は旧六将に匹敵、あるいはそれを超える可能性を秘めた面々が揃っていますが、6枠すべてが埋まっているわけではありません。ここには、秦国が誇り高き制度の権威を保つための厳格な選定基準が存在しています。
なぜ空席があるのか?六大将軍に「空席」が残される理由
新六大将軍の発表時に全6枠が埋まらず、あえて空席が残されたことには、作戦上の必然性と作者・原泰久氏の巧みなストーリーテリングの意図があります。
第一の理由は、「六大将軍という地位の重みと絶対的な基準」です。昌平君が明言している通り、六大将軍はただ武功を挙げただけでは就任できません。他国を圧倒し、中華を揺るがすほどの圧倒的な存在感と戦略的価値が大切です。安易に空席を埋めることはせず、真にその資格を持つ者が現れるのを待つという方針が取られています。
第二の理由は、「次世代の若き将軍たちへの伸びしろと目標設定」です。信(李信)、王賁、蒙恬といった作中で目覚ましい成長を見せる若手世代が、将来的にこの空席を埋める存在へと成長していくプロセスを描くため、あえて席を空けておくことで物語の緊張感とカタルシスを生み出しています。空席の存在そのものが、秦軍全体のモチベーションと読者の期待感を高める装置となっているのです。
史実における「六大将軍」の実際と作品アレンジの妙
キングダムの大きな魅力の一つが、史実(『史記』などの記録)をベースにしつつ、漫画的エンターテインメントとして昇華させている点です。『史記』等の記録において、「六大将軍」というそのままの役職名が秦の制度として実在したわけではありません。
歴史上では、昭王の時代に白起や王齕(王騎のモデルとされる人物)、司馬錯らがそれぞれ個別の将軍として絶大な権威を持ち、秦の版図を広げたことが記されています。原泰久氏は、この実在の猛者たちの活躍や関係性を「六大将軍制度」というドラマチックなシステムに落とし込み、個々のキャラクターの因縁や戦術の面白さを最大限に引き出すことに成功しました。
また、史実における武将たちの結末や活躍の時期を巧みに再構築することで、歴史を知っている読者であっても先の読めないハラハラ感と、史実に基づいた重厚な説得力の両方を楽しむことができるのが、キングダムが長年愛され続けている最大の理由といえます。
【キングダム 6 大将軍】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:旧六大将軍と新六大将軍では、どちらが強いのですか?
A1:単純な武力の比較というよりも、時代背景や戦い方のスケールが異なります。旧六将は戦国時代の勢力図をゼロから作り変えた伝説的な強さを誇り、新六将は中華統一という最終目標に向けてより高度で組織的な戦いを展開しています。個々の戦闘力ではどちらも作中トップクラスの化け物揃いです。
Q2:新六大将軍の残り3つの空席には、最終的に誰が就任するのですか?
A2:作中の動向や若手武将たちの成長を踏まえると、飛信隊を率いる李信や、玉鳳隊の王賁、楽華隊の蒙恬といった次世代のリーダーたちが有力候補として描かれています。彼らがどのような戦功を上げ、いつその座に達するのかが今後の大きな見どころとなっています。
Q3:キングダムの作中で六大将軍を任命したのは誰ですか?
A3:旧六大将軍はかつての秦王・昭王が任命しました。そして物語の現代において新六大将軍を復活させ、任命したのは第31代秦王・嬴政です。嬴政の強い意志と相国・昌平君の戦略的判断によってこの制度が再始動しました。
まとめ:六大将軍の動向から目が離せないキングダムの魅力
秦国の命運を握る「六大将軍」は、単なる強者たちの集まりではなく、中華統一という壮大な夢を具現化するための組織的かつドラマチックな核心です。昭王時代の旧六将が築き上げた圧倒的な伝説から、嬴政と新六将が挑む現代の死闘に至るまで、その歴史的背景と個々のキャラクターの生き様は作品に深みを与えています。
残された空席の行方や、次世代の武将たちの台頭など、今後の展開において六大将軍制度がどのような結末を迎えるのか、ファンの期待は高まるばかりです。歴史のロマンと圧倒的なエンターテインメントが融合した『キングダム』の今後の歩みから、ますます目が離せません。